Coding は AI の世界のデジタルな実行力になりつつある
聞楽 凹非寺より
Qoder が、新たな姿になった。
しかも今回は、これまでとは少し趣が違う。
新しいデスクトップ版が登場したかと思えば、デスクトップ上でペットまで飼い始めた。
リアルタイムで音声会話ができ、いつでもちょっと呼びかければ仕事を頼める。作業中には、自分でブラウザを開いて成果を確認することさえある……。
いやはや、まさに頼れる仕事仲間だ。

もちろん、Qoder は今までどおり実力派の Qoder でもある。
この1年、Qoder は Agentic Coding の機能を継続的に強化してきた。コードリポジトリの理解や開発タスクの計画から、コードの作成、テストの実行、長期的なタスクの完遂まで、すでに世界中の600万人のユーザーと10万社の法人顧客に利用されている。
ただ今回は、これまで培ってきた Coding の能力を IDE の外へと持ち出した。
何かアイデアを思いついたとき、まずプロジェクトを開き、プロジェクトを作成してから実装方法を考える必要はない。デスクトップペットに直接話しかければいい。
Qoder, beyond coding。では今回、どこまで Beyond したのだろうか。
まずは実際に使ってみよう。
話しているうちに、形になっていく
最初は、あえて「プログラマーではない立場」で試してみる。
今回は、5店舗を管轄するチェーン系カフェのエリアマネージャーを想定する。毎日、売上や注文数、人気商品を確認するだけでなく、スタッフのシフト管理にも気を配らなければならない。
そこで、店舗の運営状況を確認し、スタッフを管理できるシステムを自分で作ってみることにした。
問題は、店長が Coding なんてできないことだ。
でも大丈夫。Qoder のデスクトップペットを呼び出して話しかければいい。
最初から要望をすべて伝えられなくても、後から少しずつ補足していけば問題ない。
要件がある程度すり合わされると、Qoder はすぐにコードを書き始めるのではなく、まず計画書を作成した。
それまで数回の会話に散らばっていた要望を整理し直し、スタッフ向け画面と店長向け画面の構成、店長画面に必要な機能、運営ページに表示するデータ、各ページ間の連携などを、具体的なタスクに分解していく。

ここまで来れば、あとは基本的に任せてしまっていい。ここからが Qoder の本領発揮だ。
プロジェクトの作成、データ構造の設計、店舗運営のシミュレーションデータの生成、画面の構築、インタラクションの実装。そして、売上や注文数、客単価といった指標を、ひとつずつ可視化グラフに組み込んでいく。
ほどなくして、いかにも本格的なカフェ運営システムが動き始めた。

スタッフ向け画面では、自分のシフトや勤務時間を直接確認できるほか、シフト変更の申請も行える。

店長向け画面に切り替えると、各店舗の運営状況を一覧で確認できる。何件売れたのか、いくら利益が出たのかが一目で分かる。
1週間分のシフト状況も表示され、どのスタッフがどの店舗でどのシフトに入っているのかがはっきり分かる。先ほどのスタッフが提出したシフト変更申請も、承認待ちになっている。

こちらで承認すると、スタッフ向け画面のステータスもリアルタイムで更新される。

最初から最後までコードを1行も書かずに、口頭で説明しただけの要望が、実際にクリックでき、確認でき、操作できるツールになった。
ただし、ひとつ明確にしておきたい。こちらが Coding をしなかったからといって、Qoder まで Coding をしていないわけではない。
Qoder の内部で行われていた処理を確認すると、コードはしっかり書かれている。

しかも、Qoder は自分で実装した機能を、自分で検証することもできる。
Computer Use と Browser Use を使って実際のソフトウェア環境に入り、操作しながら、生成したコードの成果物が実環境で要件どおり動作するかを検証できる。問題が見つかれば、コードをさかのぼって修正し、再び一連の検証を行ってフィードバックループを完了させる。

最初の体験は、確かにかなり快適だった。
とはいえ、ゼロから何かを作るのは、ある意味 Coding Agent の得意分野でもある。
この2年ほどで Vibe Coding は大きな盛り上がりを見せており、一言でウェブページやミニゲーム、さらには小さなアプリまで作れることは、もはや珍しくない。
Qoder の Coding の実力が本当に十分かどうかを確かめるなら、誰かがすでに書いたコードの山に放り込んでみる必要がある。
2回目は、実際のプロジェクトに挑戦してみよう。
今回は、既存の 3D 太陽系プロジェクトを用意した。
元のプロジェクトはかなり完成度が高く、太陽と8つの惑星が実装されている。惑星はそれぞれの軌道に沿って動き、ズームや視点の回転も可能で、異なる惑星をクリックすれば情報を確認できる。

今回は Qoder にゼロから書き直させるのではなく、すでに誰かが作り上げたプロジェクトに手を加えてもらう。
要望も、少し具体的なものにしてみた。
太陽系に「星間旅行モード」を追加する。たとえば地球から火星へ向かうとき、星間航路を表示し、その航路上を小型宇宙船が飛行する。
さらに横に旅行パネルを追加し、現在の進捗、飛行ステータス、到着予定時刻を表示する。カメラも宇宙船に追従して動くようにしたい。

一言で言えば簡単に聞こえるが、実際に変更するとなると、ページにボタンをひとつ追加すれば済む話ではない。
まず Qoder は、既存の Repo を理解しなければならない。どの技術スタックを使っているのか、太陽や惑星はどのように生成されているのか、公転アニメーションはどこで制御されているのか、シーンはどのようにレンダリングされ、カメラはどこで管理されているのか……。
すでに構築されているロジックを一気に壊すわけにはいかない。新しい旅行モードを組み込む適切な場所も見つける必要がある。

プロジェクトの全体像をある程度把握し、Qoder が変更計画を提示してから、実際の修正が始まった。
旅行モードに必要なコンポーネントを追加し、既存のシーンロジックを変更し、3D 空間に宇宙船を組み込む。さらに、飛行経路、アニメーションの状態、進捗の変化、カメラ制御も処理する。変更は複数のファイルにまたがって進んでいく。

コードの変更が終わると、Qoder はまた非常に「律儀に」自己検証を始め、実環境で実際に操作しながらチェックを行った。
自動承認モードを有効にすれば、この一連の検証プロセスをすべて Qoder に任せられる。私たちは最後に結果を受け入れるだけでいい。

続いて自分たちでプロジェクトを再起動し、星間航行を試してみる。
2つの惑星を選ぶと、惑星が回っているだけだった太陽系に、ベジェ曲線による航路が現れた。
出発ボタンを押すと宇宙船が飛び立ち、進捗バーが前へ進み始める。カメラも宇宙船を追いながら太陽系を横切っていく。

現実の開発業務も、まさにこのようなものだ。プログラマーが引き継ぐのは、数か月、場合によっては数年にわたって稼働しているプロジェクトであることのほうが多い。
だからこそ、他人のプロジェクトを読み解き、その先の開発を続けられるツールこそが、現場で本当に必要とされている。
Qoder はさらに、40以上のコネクター、70以上のプラグイン、2万以上のスキルにも対応している。コードリポジトリ、プロジェクト管理、クラウドサービス、社内ツールなどの業務システムを AI ワークフローに接続できる。

もちろん、Qoder のこうした能力は、デスクトップ版のリリースとともに突然現れたものではない。過去1年にわたり、Qoder が Agentic Coding の領域で積み重ねてきた技術的な土台があってこそ実現したものだ。
まず重要なのは、コンテキストの理解である。
曖昧な口頭の要望であっても、既存プロジェクトのリポジトリを引き継ぐ場合であっても、プロジェクトの現状を読み解き、ユーザーが本当に達成したい目標を捉えることができる。
そのうえで、Goal と Plan が目標をさらに分解し、実行可能な道筋へと落とし込む。
Alibaba が独自開発した Agent Harness は、コンテキスト、ファイルシステム、ターミナル、ツール呼び出しを組織化する。これにより、モデルによる判断を Coding の実行へと確実につなげ、実行結果に応じて次の処理を進められる。
最後に、テストや Computer Use、Browser Use といった実環境での操作能力によって検証を行う。問題が見つかれば、先ほどの実行プロセスに戻って修正を続ける。
先ほどの、見た目には非常にスムーズな「話しているうちに形になる」という体験を、基盤レベルまで分解すると、そこには非常に完成度の高い実行チェーンがある。
理解 → 計画 → Coding → 実行 → 検証 → 修正
この一連のループが完成して初めて、基盤にある Coding の能力を外部へと解放できるのだ。
Coding は AI のデジタルな実行力になりつつある
ここで、多くの人が疑問に思うだろう。Qoder は Coding Agent なのに、なぜ使っているうちに対応できる仕事の範囲がどんどん広がっていくのか?
このことを理解するには、まず私たちが現在どのような働き方をしているのかを考える必要がある。
改めて考えてみると、今や多くの人の仕事の大半は、すでにデジタルの世界へ移っている。
ウェブページ、データ、ドキュメント、ソフトウェア、データベース、コードリポジトリ、業務システム……。
名前や種類は実にさまざまだが、突き詰めれば、私たちは毎日こうしたデジタル資産を扱っている。
ウェブページを作るなら、フロントエンドのコードを変更する。データを処理するなら、その裏側でスクリプトを実行することもある。社内ツールを構築するなら、ファイルを作成して機能を実装しなければならない。業務フローを自動化するなら、さまざまなソフトウェアやツールを呼び出し、それまで分散していた工程をつなぎ合わせる必要がある。
一見するとまったく別の仕事に思えるが、実際にやっていることは同じだ。
デジタル世界にある情報や資産を操作すること。

以前は、こうした作業をどのように行っていたのだろうか。
最も分かりやすいのは、もちろんマウスとキーボードだ。ボタンをクリックし、ファイルをドラッグし、表を編集し、コピー&ペーストする。
しかし、ソフトウェアに備わっている機能だけでは足りない場合、自分で新しいものを作りたい場合、コンピューターに大量の作業を自動で処理させたい場合には、コードを書く必要がある。
Coding の強みは、まさにそこにある。
何もないところから新しいソフトウェアを作り、何千件、何万件ものデータを一括処理し、異なるシステムを連携させ、何十回も手作業でクリックしなければならない仕事を一気に自動化できる。
つまり Coding は、デジタル世界を創造し、改変し、つなぐ能力をさらに広げてくれる。
こう考えれば、Coding Agent が対応できる仕事の範囲を広げていくのも、さほど不思議ではない。
AI Agent が現在直面しているのも、実は同じ問題だからだ。
現在の大規模モデルは、考え、分析し、計画を立てることができる。しかし、頭の中で方法を思いついたからといって、仕事が完了したことにはならない。
計画を立ててから、実際に形にして完成させるまでには、もう一段階、**「手を動かして実行する」**ことが必要になる。
そして Coding は、まさにその部分を補ってくれる。
Agent の時代において、Coding はもはやプログラマーがソフトウェアを開発するための専門スキルにとどまらず、AI がデジタル世界に入った後の実行力にもなりつつある。
Coding は、もうプログラマーだけのものではない
ここ数年の AI Coding の変化を振り返ると、そのトレンドは実に明確だ。
AI が書くコードは増え、人間が書くコードは減っている。
しかし、Agent が実装プロセスのより多くの部分を担うようになると、もうひとつ興味深い変化が現れる。
Coding の多くを Agent が実行するようになったとき、Coding の能力を使う人は、自分自身も Coding を学ばなければならないのだろうか。
今回 Qoder が実現したのは、より多くの人がこの Coding による実行力を使えるようにすることだ。

もちろん、これは今後すべての人がプログラマーに転職しなければならないという意味ではない。
プロダクトをどう定義するか、体験を本当に良いものにできるか、業務プロセスをどう設計するか、アイデアに取り組む価値があるか。結果を左右するこうした判断は、これからもプロダクトマネージャー、デザイナー、運用担当者から生まれる。
だからといって、専門的な開発者がいなくなるわけでもない。
ソフトウェアエンジニアリングが複雑になればなるほど、アーキテクチャ設計、開発品質、重要な技術判断、そして最終的なレビューには、真の専門性が必要になる。
実際に変化しているのは、「アイデア」と「実装」の間にある領域だ。
この1年、Qoder は世界中の600万人のユーザーと10万社の法人顧客による実際の利用を通じて、この Coding の実行力を磨き上げてきた。
そして今、その能力をより多くの人の手に届け始めている。
だから次に、「そうだ、XXXを作ってみようかな」と突然思いついたとしても――
まずはプログラマーを探そうと焦らなくていい。
デスクトップペットを呼び出して、少し話しかけてみよう。話しているうちに、本当に形になるかもしれない。
Qoder、beyond coding――
Coding が到達できる場所は、もうプログラマーの IDE だけではない。