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L2++「五冠王」WeRide:自動運転版「張雪機車」、あらゆる不服を一掃

· 量子位
国内AI

レースには張雪がいる。智駕には文遠がいる。

5月17日、チェコ戦 WSBK のサーキットで、張雪モーターサイクルがシーズン5冠目を獲得した

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**△**WSBK チェコ戦で5連覇を達成した張雪チームの53号車

「五冠王」の称号を、中国のオートバイが初めて手にした。前例のない快挙だ。

同じ日、合肥で開催された第2回中国智駕大赛・合肥戦の決勝では、文遠知行の WRD 3.0 ソリューションを搭載した奇瑞・星途・星紀元 ES が 102.81 点で再び優勝した。これは文遠知行にとって、この大会で5連覇目の栄冠だった。

もちろん、五冠王だからといって無敵というわけではない……文遠知行は予選で早くも強敵に出会っていた。

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**△**合肥戦の予選では、1位と2位がどちらも文遠知行のソリューションだった

ただ、よく見ると、この強敵もまた文遠知行自身のソリューションだった。

非伝統的な2つのレースで、同じ5連覇。ひとつは二輪レースで世界最高峰の大会構図を書き換え、もうひとつは四輪の智駕レースで中国の記録を更新した。

どちらもマーケティングで話題をさらったのではなく、骨太な自社技術開発が勝ち取った勝利だ。
張雪の MTC1000 電装制御システム、双方向位バランスシャフト、可変バルブ技術などは、日本メーカーの特許の壁を回避している。文遠知行の WRD3.0 の裏側には、WeRide GENESIS 仮想世界モデルの徹底的な鍛え込みと、約2,800台の L4 フリートからのデータ還流がある。これにより、L4 Robotaxi の能力を初めて本当に L2 量産車へと降ろした。

同じ日に生まれた2つの五冠王には、驚くほど似た点がある。

張雪モーターサイクルは実走で仮想シミュレーションを置き換え、文遠知行は仮想シミュレーションであらゆるコースを事前に走り切った。

両者の五冠王は、最も実務的な自己研鑽、最短のフィードバック周期、最高密度のテスト、そして最も徹底した自主制御によって、これまで10年かかっていた技術の壁を2〜3年に圧縮して一気に突破した結果だ。文遠知行の創業者兼 CEO、韓旭もこれを受けて朋友圈に投稿し、『三国演義』の典故を引用しながら、両社が歩んできた険しい道のりと、「少数で多数に勝つ」偉業について語っている。

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この中国智駕大赛第一電動が主催し、参加陣容には今や名の知れた自動運転のトッププレイヤーがずらりと並ぶ。

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**△**自社開発陣営の蔚小理、ソリューション提供側の Momenta、地平線、元戎啓行、軽舟智航なども参戦している

コース設定は都市高速道路、複雑な交差点、無保護左折、人車混在などを網羅しており、要するに中国の一般ドライバーが毎日直面する道路環境そのものだ。

文遠知行は浙江省台州戦から始まり、温州、金華、蕪湖を経て、最後は合肥まで、5戦連続で優勝。この大会の連勝記録を打ち立てた。

とりわけ合肥戦の予選では、WRD 3.0 を搭載した広汽埃安 N60 が初出場。しかも使っていたのはQualcomm Snapdragon SA8650P を1基だけで、業界で一般的なデュアル Orin-X 構成よりも計算性能はかなり低い。

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**△**WRD3.0 の雨天下での複雑路況バトル

結果として、WRD3.0 を搭載した奇瑞・星途・星紀元 ES が予選1位を獲得した。

そして初出場の埃安 N60 は堂々の2位。最大で 24.95 点差をつけ、巨頭級の人気プレイヤーの車両ソリューションを完勝で下した。もし大会規定で「1プレイヤーにつき決勝進出は1台まで」という制限がなければ、文遠知行が決勝で1位・2位を独占していた可能性もある。まるで世界卓球を国体のようにしてしまう、といったところだ。

広汽埃安 N60 と奇瑞・星途・星紀元 ES(OS2.8.0 から最新の一段式エンドツーエンド方案へアップグレード)は、同じ文遠知行 WRD3.0 アルゴリズムを搭載し、デュアル Orin-X と単体 Qualcomm 8650P というまったく異なる計算基盤の上で、同じレベルの1位・2位という結果を出した。

これは「特定のチップ向けに調整した」個別最適なソリューションではない。真にソフトウェアとハードウェアが分離され、プラットフォームをまたいで再現可能な量産級の智駕システムだ。

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**△**WRD3.0 ソリューション北京モーターショーで発表

偶然にも、張雪モーターサイクルの5冠も同様にクロスプラットフォーム能力の上に成り立っている。820RR-RS のレース車両と、まもなく量産される 820RR-R は、エンジンと電装制御システムを同源とし、サーキットで検証した技術をそのまま量産車へ落とし込める。

ひとつは二輪レース、もうひとつは四輪智駕。両社が証明しているのは同じことだ。真に骨太な技術は、プラットフォームが変わったくらいでは崩れない。

張雪モーターサイクルが欧米日のトップレースにおける長年の独占を打ち破ったのだとすれば、文遠知行の WRD 3.0 は、中国の智駕レースで5連覇を達成することで、「大手や人気ブランドのほうが必ず強い」という慣性化した認識までも崩したのだ。

文遠はどうやって実現したのか?

5連覇は偶然ではない。文遠知行の技術基盤は、「二本足で歩く」と言える——1本は下限を引き上げ、もう1本は上限を突破する。

1本目は、約2,800台の L4 自社自動運転車両からのデータ還流だ。

自動運転業界ではおなじみかもしれないが、L4 プレイヤーが何年も前から口にしていた「次元降下攻撃」である。ただ、これまでの長い年月で、本当にそれを実現したのは文遠知行だけだった。

文遠知行は世界で約1,300台の Robotaxi を運用しており、シャトルバス、清掃車などを含むフルラインの L4 車両を合わせると総数は約2,800台に達する。これらの車両は12か国・40以上の都市を日々走り続け、まさに実戦そのもののリアルな路面データを蓄積してきた。とりわけ、通常の路上テストではほとんど遭遇しない「ロングテール場面」は非常に貴重だ。

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**△**文遠知行の Robotaxi GXR がサウジアラビアのリヤドで走行

そして、こうしたデータはそのまま文遠知行自社開発の WeRide One 汎用自動運転プラットフォームに“還流”され、学習済みアルゴリズムが WRD 3.0 の L2++ ソリューションに適用される。

その結果、WRD 3.0 は生まれた時点で白紙の状態ではない。すでに L4 シーンで数千万キロを走破した「ベテランドライバー」なのだ。いわゆる「生まれつき下限が高い」ということだ。出発点から、他社が何年も泥まみれになってようやく到達する地点に立っている。

2本目は、WeRide GENESIS の自社開発シミュレーション世界モデルだ。

これは仮想世界の中で、実路の何万倍もの密度で、さまざまな極限シーンを生成できる。隣車線からの突然の割り込み、無保護左折、歩行者の飛び出し、逆走するライダー、さらには自然災害まで含まれる。

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**△**WeRide GENESIS のシミュレーションシーン

GENESIS は「シーン生成→学習→評価→診断」という完全な閉ループを構築しており、アルゴリズムは路上に出る前に、すでに仮想環境でこれらの極端な状況を何度も反復練習している。

これこそが「上限を無限に押し上げる」ことだ。現実では何年も、何万キロも走ってようやく1回遭遇するような危険場面を、WeRide GENESIS では何度でも繰り返し訓練できる。さらに条件を少し変えながら、応用練習までできる。

ユーザーが購入し、日々使う WRD 3.0 搭載車にとって、下限の高さは、AI ドライバーが普通のシーンで初歩的なミスをしないことを意味する。特に、エンドツーエンドのブラックボックス型ソリューションの下で、人間ドライバーの誤った運転行動を学習してしまうことを避けられる。

上限の高さは、本当の“地獄シーン”に遭遇しても慌てふためかず、人間ドライバーよりも合理的かつ安定して複雑な区間を通過できることを意味する。

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**△**WRD 3.0 は割り込みを受けた後、2回のバック操作でゲートを通過した

文遠知行の創業者兼 CEO、韓旭はこんな面白いことを言っている。
「詠春が強いのは葉問が戦っているからであって、詠春という拳法そのものが強いからではない」

つまり、世界モデル技術のパラダイムが人気を集め、L4 も L2 もほぼすべてのプレイヤーが追随している。理屈の上では、実力のあるプレイヤーなら Robotaxi でも量産 L2 でも「一通百通」を実現できるはずだ。

だが現実は違う。L4 フリートが蓄積した数千万キロの実データを L2 ソリューションへ本当に流し込み、自社開発のシミュレーションシステムで極限シーンを隅々まで走破し切ったのは、現時点では文遠知行ただ1社である。

その裏には、他のプレイヤーがまだ払っていない努力と汗がある。L4 から L2+ への「スリム化」は、マラソン選手が1500メートル走のために爆発力を鍛えるようなものだ。単に長距離向けの持久力を少し削るだけでは済まない。

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**△**文遠自社開発の 2000 TOPS 計算プラットフォーム HPC3.0

技術面で見ると、基礎的な知識蒸留だけでなく、蒸留前の Mixed-Precision 量子化、モデル剪定、動的推論最適化、MoE アーキテクチャ最適化など、コードレベルまで踏み込んだ細かな know-how も必要になる……

こうした技術蓄積は、別の角度から見れば、L2 発の“次元上昇”プレイヤーが、なぜ本当の L4 とは呼べないのかを物語っている。

張雪モーターサイクル側も、同じようなことを言っている。自社開発の MTC1000 電装制御システム、軽量化フレーム、一体型空力設計——どれも「お仕着せの流用」ではなく、サーキットで自ら一周一周走りながら作り上げたものだ。

両社に共通しているのは、研究開発の主導権を自分たちでがっちり握り、最も泥臭い、つまり最も実直なやり方で、技術の壁を一つひとつ掘り抜いてきたことだ。

この2つの「五冠王」をどう理解すべきか?

2つの五冠王の中核技術を並べて見ると、ある興味深い共鳴が見えてくる。

第一に、技術ロジックが通底していることだ。

張雪モーターサイクルの X3 エンジンと MTC1000 電装制御システム、文遠知行の WeRide GENESIS シミュレーション世界モデルと L4 データ還流は、本質的にはどちらも「閉ループ」を作っている。すなわち、実運用で生まれたデータを素早く開発側へ戻し、極めて高い頻度で改良を回しているのだ。

張雪モーターサイクルはサーキットを1周するとすぐにデータを返送し、24時間以内に新バージョンへ改修できる。文遠知行は仮想環境で数万もの極限シーンを走らせ、アルゴリズムモデルを夜通し更新する。

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両者とも、「開発-テスト-最適化」のサイクルを年単位から月単位へ、月単位から日単位へと圧縮している。

第二に、独占を打ち破るという共通の目標だ。張雪モーターサイクルが真正面から挑んだのは、ドゥカティ、ヤマハ、本田といった日欧の巨人たちであり、WSBK の舞台から彼らを表彰台の外へ押し出した。

文遠知行の WRD 3.0 は、中国智駕大赛で、一般ユーザーの認識の中ではほぼ「天井」級と見なされる存在を、真正面から打ち負かした。

5連覇の意味はトロフィーそのものではない。中国発の L2++ ソリューション、とりわけ L4 プレイヤーの量産ソリューションが、実際のユーザー通勤・移動シーンで一線級メーカーの水準を完全に上回れることを証明した点にある。

ここから、より現実的な見方も導かれる。テスラ FSD の中国導入が加速しており、最近は国内での智駕関連職の採用情報も報じられた。

そして、技術体系とビジネスモデルの両面で、FSD に本当に対抗し得る中国の相手は、恐らく文遠知行だけだ。

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**△**WRD3.0 を搭載した広汽埃安 N60

なぜなら、マスクは L2 と L4 陣営の口論に加わることはないし、どの技術ルートがより「正統」かも気にしないからだ。

そのため、従来の L4 陣営が競ってきた開城数や運用範囲といった指標は、テスラには比較対象がない。逆に L2 プレイヤーが導入先の件数や、100kmあたりの介入回数を誇っても……イーロン・マスクはまったく意に介さない。自動運転の第一原理に従い、テスラは常に全シーン、全時間帯、全地域を目標に技術開発を進めるからだ——

まさに、言葉より行動を貫く文遠知行のように。

ただ、技術以外の面では、文遠知行は FSD に対して一歩先を行く優位性も持っている。

相対的な優位性は、文遠知行がすでに大量の中国国内の実シーンデータを蓄積し、FSD より先に「通るべき道」を歩み終えていることだ。

絶対的な優位性は、文遠がすでに WRD 3.0 を、発売価格 10.68万元の埃安 N60 に搭載し、車両標準装備として提供していることだ。コスト/利益は車両価格に含まれている。一方、FSD の一括買い切り価格は 6.4万元である。

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**△**WRD3.0 の狭路でのすれ違い

高階智駕がもはや「高級オプション」ではなく「全グレード標準装備」になったとき、この競争のルールはすでに書き換えられている。

さらに注目すべきなのは、文遠知行の5連覇力がすでに量産的に再現され始めていることだ。

文遠知行はすでに約30車種の採用決定を獲得しており、広汽グループの3ブランド(埃安、昊鉑、伝祺)と奇瑞グループの5ブランド(星途、Tiggo、Lepas、Omoda、JAECOO)をカバー。市場は中国から欧州、東南アジア、中東へと広がっている。

その中でも、文遠知行と広汽グループの初の量産車である埃安 N60 は今年4月に発売され、予約開始から2週間で受注は8,300台超、5月初頭には9,000台を突破した。この車は広州の城中村や夕方のラッシュアワーといった“地獄シーン”でも驚くべき性能を見せ、Bilibili の自動車評論家からは「智駕ニュルブルクリンク」で唯一の0介入車として称賛された——しかも相手は20万元、あるいは30万元クラスの智駕車だ。

では最初の問いに戻ろう。2つの五冠王が同時に生まれたのは、偶然なのか?

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偶然でもあり、偶然ではない。偶然なのは同じ日だったこと。必然なのは、その背後にある共通のロジックだ。最短のフィードバック周期、最高密度のテスト、最も徹底した自主制御によって、かつて10年かかった技術の壁を2〜3年で突破する。

張雪モーターサイクルはサーキット実戦をそのまま開発プロセスに変え、文遠知行は仮想シミュレーションであらゆるコースを先に走り切った。

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**△**文遠 GXR Robotaxi の車内

マルチモーダル大規模モデル + データ駆動の路線が自動運転業界の共通認識になった今、「L4、L2 の路線争い」にはもはや意味がない。

本当に重要なのは、もはやただ1つの指標だけだ。異なる都市、異なる路面状況、異なる車種でも、誰が AI ドライバーに一貫して高いレベルの走りをさせられるか。

韓旭が言うように、流派を見るのではなく結果を見る——「詠春が強いのは葉問が戦っているからだ」。

文遠知行は五連覇によって、誰よりも先にそれを証明した。葉問は、もうリングに上がっている。

#国内AI#4Allapi.com

4All API チームによる投稿

原文リンク:https://www.qbitai.com/2026/05/419913.html

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